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つきうさぎ(3/4)
「どこの国だったか…兵器の残骸が落ちてきて人がたくさん死んだよな」
「やだ…そんな話しないで」
「怖い?」
「怖いよ…」

 そう言うと、ヒトミはコウタの肩に体を寄せた。

「あのね」

 小声で、甘えるようなヒトミの声。

「何?」

 そしていつも通りの、ヒトミにとっては”優しい”、コウタの声。

「月ってね地球みたいに青い空もないし、星はたくさん見えるんだけど空気がないからどれ1つ瞬かないの。最初、ちょっと怖かった」

「でもね、勇気を振り絞って宇宙服を着て外に出てみるの。で、ちょっとステップを踏むと…”ふわっ”て体が浮かび上がるの」

「楽しいよ。とっても。なんだか、うさぎになったような気分だった」

「あのね。きっと戦争はすぐに終わるから、そしたら、一緒に月に行こ? うさぎ饅頭とかうさぎサブレとかのお菓子も美味しいんだよっ!」

 次第に、明るくなるヒトミの声。笑顔が戻るヒトミの表情。
 そんなヒトミの話を黙って聴いていたコウタは、青白い月を見つめたまま言った。

「あぁ、行くか。卒業旅行にでも」

 ヒトミは”うんっ”と軽快に頷いた。
 しかし、次の瞬間、青白い月を見上げるコウタの表情に、ヒトミは笑顔を奪われた。

「……なんだあれ」

 コウタが思わず立ち上がる。それにつられてヒトミも立ち上がった。あっけにとられた様に何かを見つめるコウタの視線を追いかけたヒトミは、思わずコウタの上着の袖を握りしめた。

 オレンジ色の炎。オレンジ色の炎が空から地上へ、ゆっくりと、落ちてきていた。
 音もなく、ただただ淡々と、静かに、ゆっくりと。

 『どこの国だったか…兵器の残骸が落ちてきて人がたくさん死んだよな』

 さっきのコウタの言葉が、ヒトミの頭の中に響く。
 体が震える、唇が震える、声が出ない。
 コウタの手がヒトミの肩を”ぎゅっ”と抱きしめる。
 ヒトミの瞳が”ぎゅっ”と閉じられる。

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