暑中お見舞い申し上げます(4/6)
「…なにさぁ」

「私、ここから動きたくなぁい」

「……」

 それでも口を尖らせて抗議する態度にはさすがに閉口する。加南子が夏の暑さに弱いってのは知ってる。私も暑さに強い方じゃないから気持ちもわかるけど。

「だからぁ」

 加南子が瞳を潤ませて懇願してきたけど、

「じゃ、ずっとここで涼んでりゃ良いじゃない。夕方まで」

 私が1人で買って来なきゃいけない理由がわからない。

「えー。真実はアイス食べたくないの?」

 加南子がさらに不満そうに口を尖らせる。

「んー、別にどっちでも良いかなぁ」

 実際、どっちでも良いよ。

「どっちでも良いなら買ってきてよぉ」

 加南子がそう言いながらTシャツの裾を引っ張ってくる。

「だから一緒に行こうって。どうせコンビニ行ったらクーラーきいてるし」

「んー…」

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