ステキだね(2/4)
「いや、そんなに良いものじゃなかったよ…」

「取り敢えず、どんな夢だったんですか?」

「あぁ…、道を歩いてたらな、民家の塀の向こうに植えてあった木の葉っぱに張り付いているカエルと目があった」

「それで…?」

「そのカエルが急に”ニヤリ”と笑いやがった」

「うわ…」

「なんか、想像しただけでも嫌だろ? もう、それが脳裏に焼き付いて離れない…」
 そう言うと”先輩”は自分のコーヒーカップを口にあてた。

「素敵ですねぇ、それ…」
 ”先輩”の予想に反して、”キシマ”は嬉しそうだ。

「ぶっ」
 ”先輩”は思わず吹き出して、熱いコーヒーが自分の顔にかかってしまった。

「うあ、熱そう。大丈夫ですか?」
 ”キシマ”は慌てて”先輩”におしぼりを手渡した。

「何処が素敵なんだよ!」
 ”先輩”はおしぼりで顔を拭きながら反論した。

「いや…そういうものでは、無かったですか?」
 ”キシマ”は申し訳なさそうに言った。

「無かったよ…」
 そう言って”先輩”はおしぼりをテーブルの中央に置いた。

「はぁ。そうなんですか…。ところで、」

「なんだよ」

「そのカエル、何か喋りました?」

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