息の根っこ(5/6)
「すまん。なんか展開が早すぎてよくわからないんだが」
「弾ァ持ってない男なんて何も怖くないんだよ」
俺の眉間にさらに力強く銃口を押しつける。
「いや、まて、俺が悪かった」
とりあえず、命乞いをしないとまずいかも知れない。
「何が」
「だから、許して」
「どうして」
「……」
てか、俺が何をしたんだ。マジで。
「って、ばーか」
「は?」
「私が優希を殺す理由なんてあるはず無いし、つか拳銃なんて優希がどうして持ってるの」
「は、はぁ…」
そうだよな? そうだよ…はは。
「夢に決まってるじゃない。こんなの」
「あ、はぁ、あ、はははは…そ、そうだよなぁ」
「うんうん。なんか本気になってるんだもーん。面白かったぁ♪」
「あ…、はははははっ! そうだよなぁ! 朝っぱらから脅かすなよぉっ!」
「うん。はい、そう言うわけでちゃんと眼を醒まさないとね」
「そうだなぁ。なんかやな夢だ」
「そうでしょう? たぶんこれは夢だからここで眠るとちゃんと現実に目覚められるよ」
「うんそうだなぁ。それじゃ」
「うん。さぁ、目を閉じて、おやすみ」
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