息の根っこ(4/6)
「かなり納得いかないんだが…」
「んー…そだ。じゃあ、優希のベッドの下の引き出しに隠してあった拳銃はなんなのさ」
「は、なにそれ」
「とぼけるな」
そう言うと杏子はようやく俺の首から手を離す。そして何やら自分のポケットをまさぐりだした。
しかし、その瞬間、片手は俺の顔面を鷲掴みにしていた。
「なんだよ」
「多少力が弱くても、相手の頭さえ押さえておけば体の自由の半分は余裕で利かなく出来るんですよ。この隙に優希が起きあがろうとしても無駄です」
確かに…、その上、杏子は俺に馬乗りになっている。
「はいこれ。いち、にっ、さん、しっ、ごっ」
と、言いながらぱっと俺の顔面の手を離すと、俺の顔にポケットから取り出した金色の塊を1つづつ落としてきた。
「痛いって、やめろ」
「はいさっきのはなーんだ、はい時間切れ、正解はこの銃の弾でしたー」
というとさっきのポケットから黒いリボルバー式の拳銃を取り出すやいなや両手で思いっきりハンマーを起こした状態でトリガーに手をかけて銃口を俺の眉間に押しつけた。
「はい。この銃は何連発? そう、6連発。さっき5発分貴方にあげたからこの中にはたった1発しか入ってません。でも、これで十分なんだよねー」
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