息の根っこ(2/6)
「それだ」

「あ、正解?」

「正解じゃない」

「え? 不正解?」

「そういう問題じゃなく」

「だろうね」

「さぁ、説明して貰おうか」

「あー…、それって結構めんどくさいんだけど…」
 とか言いつつ俺の首にかけた両手に力を入れる杏子。

「ごまかすな」

「言わなきゃだめ?」

「…とにかく、俺を殺す前に理由を説明しろ。または俺に何か問題があるなら殺される前に言い訳くらいはしたい」

「じゃあ、言い訳くらいは許してあげよう。私から説明することはありません」

「何故」

「自分の胸、つまりハートに訊きなさい」

 俺は心当たりを記憶の中から探り出そうとした。

 ………考えれば考えるほど心当たりは見つからない。
 見つかりそうもなかった。

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