たとえば、オレンジ色を愛おしいと思ったとき(6/6)
駅に向かって歩き出す。隣を一果がぴったりとついてくる。
数分前の出来事を思い出した。ちょっと振り返るととても奇妙だ。でも、一果がどうしてあんな行動をとったのかはだいたいわかる。その時の自分の気持ちも今までに何度か経験した感覚だ。
正直、一果の本心は確実にはわからない。でも、まぁ、そういう風に考えるのも悪くはないと思った。
ま、あれなんだろうな。
切欠は、たとえば、オレンジ色を愛おしいと思ったとき。
ふと、そんな、”どうでもいいこと”を考えながら一果と歩く。
そんな”どうでもいいこと”に愛おしさを噛み締めながら。
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