モーニング・トリップ(5/5)
目覚まし時計が鳴った。おなじみの甲高い電子音で。
あ。
”はっ”と、急に頭の中がはっきりした。
抱いていた枕を”ぱっ”と離して飛び起きた。
いつも通りの時間。
いつもどおり、余裕はない。
爽やかな鳥の声が無情なほどに朝を告げ、カーテンは日の光に透けていた。
”んーっ”と伸びをして、ベッドから立ち上がり窓際へとぼとぼと歩いた。
眠いよ眠いよ頭が重いぃー…。
カーテンを開ける。日の光が、まぶしい。
ちょっとだけ、”すっ”とする。
「目覚まし時計、もうちょっと早くセットするのもありだなぁ」
日の光に目を細めて、そんなことを呟いた。
いつもどおりの、低血圧の朝だった。
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